(2011/03/23 追記 : 東北地方太平洋沖地震に伴う災害復興、および電力停止に伴う支援として、現在、Exchange Online、Lync Online などの 90 日間無償提供 をおこなっています。遠隔地どうしの Web 会議等にお役立てください。)
こんにちは。
緊急で必要になる方のために、既にご存じの方も多いかと思いますが、あらためて、Communicator、Lync の接続設定について記載 (復習) しておきます。
Microsoft Online Services に接続する場合は、下記手順で Communicator (または Lync) の接続先の構成をおこなえばつながります。(環境のすべてを作り直す必要はありません。)
以下に、いくつかの注意点を含め、Microsoft Online Services の接続方法を記載 (復習) しておきましょう。
補足 : 企業内 (オンプレミス) の Office Communications Server, Lync Server を使用している場合でも、インターネット接続の設定がおこなわれている場合、インターネット (自宅など) から Office Communications Server, Lync Server へ接続できます。接続構成の詳細については、各組織 (または企業) の管理者の方にご確認ください。
管理者の設定
Office Communications Online が使用可能な Microsoft Online Services のライセンスを使用されている場合、管理者の方は、以下の確認をおこなってください。
- Microsoft Online Services の管理者アカウントで、Microsoft Online Services 管理センター (Office 365 / Lync をお使いの方は、Office 365 ポータルサイト) にログインし、[サービス設定] – [Office Communications Online] タブを選択して、Office Communications Online のサービスが有効になっていることを確認してください。
- 同じく Microsoft Online Services 管理センター の [ユーザー] – [ユーザー リスト] タブで、必要なユーザーが設定 (追加) されていることを確認してください。
なお、ユーザーを追加してから Communicator (Lync) で接続 (サインイン) できるようになるまでしばらくかかります のでご注意ください。
利用者の設定 (サインイン クライアントを使用した場合)
Microsoft Online Services が提供する各サービスを使用する利用者は、基本的に、ここで記載している Microsoft Online Services サインイン アプリケーションを使用されることをおすすめします。
以下に、その方法を記載します。
- Office Communicator 2007 R2 をインストールします。(既にインストール済みの方は無視してください。)
Microsoft Online Services ポータルサイト にログインして、[ダウンロード] タブから Office Communicator 2007 R2 をインストールしてください。(評価用に使用される方は Microsoft Office Communicator 2007 R2 試用版ダウンロード も使用できます。) - つぎに、Microsoft Online Services ポータルサイト にリンクが掲載されているシングル サインイン アプリケーションをダウンロードしてインストールします。(こちらも、既にインストール済みの方は無視してください。)
- インストールされたシングル サインイン アプリケーションを起動し、ログインします。([自動的にサインインする] にチェックを付けておくと、毎回、デスクトップへのログインと同時にサインインされます。)
- アプリケーションの構成画面が表示されますので、ここで Office Communicator を選択し、[アプリケーションの構成] ボタンを押して設定をしてください。
- 以上で、(Online サービスに接続して) Communicator が使用できるようになります。
Office Communicator を起動する際は、あらかじめ上記のサインイン アプリケーションを起動してログインしておきます。(起動中は、デスクトップ右下のトレイにアイコンが表示されます。サインイン アプリケーションが起動していると、Office Communicator のサインイン時に、下記の手動設定と同様の設定が自動的におこなわれ、ログイン可能になります。)
注記 : Communicator で、既に企業内 (オンプレミス) の接続設定がおこなわれている場合は、あらかじめ、下記の手動設定の手順に記載されているサーバー名 (または IP アドレス)、サインイン アドレスの情報 (設定) を書き留めておくと良いでしょう。(これらの情報がわかれば、下記の方法で接続先を元に戻すことができます。)
注記 : Microsoft Online Services ポータルサイト のログインに失敗する場合は、ブラウザのキャッシュをクリアしてから再度ログインをおこなってください。
利用者の設定 (手動による設定の場合)
以下の手順で、サインイン アプリケーションを使用せずに Microsoft Online Services (Office Communications Online) への接続設定をおこなうこともできます。複数のアカウントの切り替えをおこなう場合など、サインイン アプリケーションのインストール・設定 (起動と停止など) が手間になる場合には、以下の方法で接続できます。(上述しましたが、基本的には、サインイン アプリケーションを使用することを推奨します。下記の内部仕様は、ID が重複する場合など状況によって異なります。また、今後、予告なく変更される場合もあります。)
- Office Communicator を起動します。
- [ツール] – [オプション] メニューを選択します。
- 表示される画面で、[詳細設定] ボタンをクリックします。
- 表示される画面で、[手動構成] (Manual Configuration) を選択し、以下の通り設定します。(Lync の場合については、後述します。)
[アドレス] pool1.oconline.microsoftonline.com:443
[接続方法] TLS - [OK] ボタンを押して、上記のダイアログボックスを閉じます。
- [オプション] ダイアログボックスで、[サインイン アドレス] として Microsoft Online Services に登録しているアドレスを設定します。
- [OK] ボタンを押してダイアログ ボックスを閉じます。
- Office Communicator を起動して、ユーザー名、パスワードを入力してサインインをおこないます。
この際、ユーザー名として、[サーバー名][ユーザーID]_[ドメイン] (ただし、20 文字までで、最後がピリオドの場合はアンダーバーに変換) を入力します。
サーバー名は、こちら に記載されている通り、日本の方は「red003」になります。
例えば、サインイン アドレスが demo2@tsmatsuz.apac.microsoftonline.com の場合は、ユーザー名は red003demo2_tsmatsuz.apac_ になります。(さいごが . のため、_ に変換します。)
サインイン アドレスが dm2@tsmatsuz.apac.microsoftonline.com の場合は、ユーザー名は red003dm2_tsmatsuz.apac.mi となります。
Lync Online (Office 365 Beta) を使用している場合 (補足)
さいごに、Lync 2010 Online (Office 365 Beta) を使用されている方のために補足します。
Lync Online では、Lync 2010 クライアントをインストールし、さらに Office 365 用の Microsoft Online Services サインイン アシスタントをインストールします (サインイン アシスタントがインストールされていない場合、Lync のサインインの際に、サインイン アシスタントのダウンロードが促されます)。Lync 2010 クライアントは、Office 365 (Beta) のポータルサイト にログインし、[ダウンロード] のリンクをクリックするとダウンロードできます。
Lync Online では、接続先のアドレスとして以下を設定してください。(ただし、ADFS 統合を使用されている方は、サーバーのアドレスは下記と異なります。これについては省略します。。。) ログインの際のユーザー名は、上記のような内部名を入れる必要はなく、Microsoft Online Services を使用する際のアカウントをそのまま入力すれば OK です。
[アドレス] sipdir.online.lync.com:443 (または sipdir.online.lync.com)
[接続方法] TLS
注意 : Lync では、接続時に、クライアント証明書 (Certificate) が使用されます。このため、ログインに失敗する場合、Internet Explorer のインターネット オプションで [コンテンツ] タブの [証明書] ボタンをクリックして (あるいは、certmgr を使って)、証明書の期限が失効していない (expire していない) ことを確認してください。なお、証明書が存在しない場合や、期限が切れている場合、通常は、Lync のログイン プロセスによって自動的に期限が更新 (証明書が再設定) されます。
注意 : システム (ローカル コンピューター) の時刻が大きくずれている場合、上記の証明書の更新がおこなわれません。このため、ログインできない場合は、ローカル コンピューターの時刻の設定も確認し、必要に応じて修正してください。
注意 : サーバー環境をインストールされた方はご存じかと思いますが、Lync では、接続時に、DNS を使ったさまざまな解決 (resolve) をおこなっています。このため、クライアント側のネットワーク環境が正しく設定されていることを確認してください。(例えば、ネットワークを複数構成し、使用していないほうのネットワークの設定が誤っている場合などでも、接続できないことがあります。)
Lync Online では、[E メールで招待] (invite by E-mail) コマンドを使用して、Lync アカウントを持っていない外部のゲスト ユーザーも招待できます。(会話ウィンドウ右上の「人」の記号のアイコンをクリックすると、このコマンドが表示されます。)
この際、Lync クライアントを持っていないゲスト ユーザーも、Lync Web Apps を使用して、ブラウザから会話に参加することができます。(ただし、この場合、音声の連携はおこなえないため、音声を使用する際は、自身が持っている電話等の音声デバイスの電話番号を入力して、会議側からコールバックさせます。)
注記 : この [E メールで招待] (invite by E-mail) のコマンドは、会話 (Conversation) が作成 (成立) されていなければ起動 (実行) できません。
このため、いったん相手 (誰か) と IM (Instant Messaging) をおこなうなどして会話を成立させてから招待をおこなうか、あるいは、Lync クライアントの右上のアイコンから [今すぐミーティング] (Meet Now) を選択することで会議 (Conference) として会話ウィンドウを起動してから、このコマンド (invite by E-mail) を実行します。
注記 : 既に Office 365 Beta のアカウントをお持ちの方のために設定方法を記載しています。Office 365 Beta は、現在、キャンセル待ちの状態ですので、すぐにアカウントを取得することはできないのでご注意ください。
Lync Online (Office Communications Online) 使用の際のその他の留意点
以下に、簡単に、留意点をまとめておきます。
- Office Communications Online (Standard 版) を使用したリアルタイム コミュニケーション (インスタント メッセージング、VoIP、ビデオ会議等) は、同一組織内でのみコミュニケーション可能です。Office Communications Online と Office Communications Server を共存させて、相互で IM (インスタント メッセージング) 接続などをおこなうこともできません。(これは、リリースノートに記載されています。)
- Office 365 の Lync Online では、フェデレーションの設定をおこなうことで、Public IM (Windows Live メッセンジャー) とのコミュニケーションや、異なる組織間 (Microsoft Online Services 上の企業間) のコミュニケーション、オンプレミスの Lync Server とのコミュニケーションも可能です。このため、カスタムの IVR のアプリケーションなど、オンプレミスで動作している UCMA アプリケーションとの連携も可能です。
(Lync Online の Federation については、こちら に記載しました。) - Office Communications Online では、デスクトップ共有はできません。(企業内の Office Communications Server を使用している場合は、サーバー側の設定によりデスクトップ共有が利用可能です。)
- Microsoft Online Services の Office Live Meeting (Web 会議) を使用すると、デスクトップ共有、プログラム共有や、ゲストユーザー (アカウントを持っていない外部の参加者) の招待、レコーディングなどをおこなうことができます。こうした操作が必要な、いわゆる「会議」では、この Live Meeting (Web 会議) を使用してください。
会議を新規作成するには、上記のサインイン アプリケーションから、Microsoft Office Live Meeting (Web 電話会議) をクリックします。(招待を受けたユーザーのコンピューターに、専用の Live Meeting Client がインストールされます。) - Office 365 の Lync Online では、デスクトップ共有、プログラム共有や、レコーディング (音声と画面の記録) など、ほとんどの操作が可能です。Lync 2010 では、Web 会議 (Live Meeting) 用のクライアントが Lync クライアントに統合されています。(ただし、250 1000 ユーザー (2013/04/23 訂正) を超える大規模な「イベント」などのカンファレンスでは、従来通り、Office Live Meeting を使用することをおすすめします。)
- Lync クライアントから Office Communications Server への接続はできません。(それぞれ、バージョンを揃えておいてください。)
また、Communicator と Lync クライアントの双方をインストールして、双方をサイド バイ サイドで開くこともできません。(同一デスクトップ上で使用できるのは、どちらか一方のみです。) - サーバー環境 (Office Communications Server, Lync Server) の設定によって、クライアント側 (Communicator, Lync) に累積的更新プログラム (Cumulative Update) が必要な場合があります。(ログインできない場合があります。)
なお、企業 (オンプレミス) で立てているサーバー環境については、各組織 (または企業) の管理者の方にご確認ください。
Communicator 2007 R2 累積的更新プログラム (2010 年 7 月) :
http://support.microsoft.com/kb/2028888/ - Lync Online は、現時点では、公衆回線網 (PSTN) への接続はできません。(企業内 (オンプレミス) で立てているサーバーの PSTN / SIP 接続については、各企業の管理者の方にご確認ください。)
- 2011/12/19 追記 : Lync Online では、Lync 2010 Mobile を使用してスマートフォンからも使用できます。(会議の参加も可能です。音声機能については、端末の電話機能を使用します。)
設定方法については、山崎 愛さんのブログ で紹介していますので、ご参照ください。
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